床材にも使われる技法、浮造り(うづくり)の特徴とは?そのメリットとデメリットについて

もうすぐフローリングが気持ちいいと感じる季節が訪れるため、素足で快適に過ごしたいという方も多いでしょう。フローリングと言っても様々な加工方法があり、その中に日本独自の手法である「浮造り」というものがあります。

今回はその浮造りについて、特徴やメリット、デメリットをみていきます。

目次

日本の加工技術で心地よさが増すうづくりを解説します

浮造りの特徴

みなさんは「浮造り(うづくり)」という技法を知っていますか?

浮造りとは、日本古来の板目を活かした加工技術のことで、木の柔らかい部分をへこませて、年輪を凹凸に仕上げます。
柔らかい木ならではの仕上げ方法で、木目が浮き上がったようになります。

うづくりの表面

全国各地の神社、お寺、古い日本家屋などを訪れた際に、杢目が浮き出ている場所を見たことがある方もいらっしゃるかと思います。板そのものの自然な美しさを活かしながら艶や立体感を出すために、昔から考えられた加工方法を「浮造り(うづくり)仕上げ」と言います。

浮造りに使う道具

浮造りとは、加工方法の呼び名であると共に道具の名前でもあることを知っていますか?道具の浮造りとは、刈萱(かるかや)の根を水にさらした後、干して麻紐で丸く束ねた円柱状のハンディーな道具で、木材の表面を擦るように夏目を削りだして凹凸を作ります。その他にツグや馬毛を材料に束ねたものもあり、それぞれの堅さや柔らかさを活かして様々な凹凸を作り出すことができます。

naturepostによるPixabayからの画像

またこれらの材料には油脂分が含まれているため、夏目を削りだす作業と同時に全体を磨くこともでき、自然な艶を出した仕上げになるのです。また道具の浮造りのような繊細な凹凸を出すことはできませんが、ワイヤーブラシが用いられることもあります。若干木肌を痛めることになりますが、シャビーを出すには適しています。

ただしこれらは手作業のため、ホイールサンダーのような電動工具を利用することもできます。ブラシホイールにはワイヤーブラシとナイロンブラシの2種類があります。ワイヤーブラシは金属製の線材で作られており、非常に硬く針金のようなブラシになっています。ナイロンブラシホイールは研磨材入りのナイロンブラシで、こちらの方が浮造りには適しています。

使用する木による浮造りの仕上がりの違い

浮造りと言っても、使用する木によって仕上がりに違いがあります。日本の杉やヒノキの有る場所は寒暖の差が少ないです。
一方でドイツやカナダから輸入するモミは、マイナス20℃から+35℃くらいまで、50~60℃くらいの温度差がある地域にあります。この寒暖差が大きいほど、冬目が硬くなってくるのです。これが浮造り(うづくり)仕上げに大きく影響してきます。
杉や松に浮造り(うづくり)仕上げを施そうとすると、硬いはずの冬目も一緒に削れてしまいます。

また樹齢が若い為、均一に木目が揃わないというデメリットもあります。そうすると、浮造り(うづくり)仕上げ最大の特徴であるに凹凸感が失われ、足触りがイマイチになってしまいます。

一方モミの木目は均一です。なおかつ寒暖差による冬目の硬さがプラスされて美しい凹凸ができます。このように、使用する樹齢や寒暖差、加工技術により違いがでてきます。

浮造りのメリット

ここでいくつかのメリットを紹介していきます。

足触りがよく足裏に適度な刺激がある

通常、ワックスがかけられたフローリングの上を裸足で歩くと、夏場は特にべたつきがちですが、無塗装の無垢フローリングはその汗を吸収するため、さらっとした感覚を得ることができます。天然木ならではの調湿性があるため、湿気が多い時には湿気を吸い込み、乾燥してくると溜め込んだ水分を吐き出してくれるのです。

また適度に足裏を刺激してくれるため、血行不良の解消にも効果的です。足の裏を刺激することで血液の循環が良くなり、認知症の予防にも効果があると言われています。

滑りにくい

浮造りの特徴である凹凸により、滑りにくいことも1つのメリットです。これは高齢者や小さい子供、ペットのいる家庭で特にメリットと言えます。

通常のワックス加工のフローリングは表面に艶があって美しいですが、その反面滑りやすいというデメリットがあります。
特に室内でスリッパや靴下を履いていると滑る危険が高いですが、浮造り仕上げの凹凸により歩行の安全性が保たれます。

断熱性に優れている

無垢フローリングは熱を伝えづらい性質があります。もちろん使用する木材により熱の伝わり方は違いますが、天然の断熱性に優れた素材で、1年中快適に過ごすことができます。

熱伝導率は密度の高い木材ほど高くなり、密度の低い木材ほど低くなります。つまり、密度の高い広葉樹は熱伝導率が高いため熱を伝えやすく、密度の低い針葉樹は熱を伝えにくい傾向にあります。

目に優しい

浮造りの凹凸が影を作りフローリングの反射を抑えるため、目に負担をかけずに生活することができます。

また無垢フローリングには紫外線を吸収してくれる作用があるため、目に疲れが出づらいです。
人間の目は規則的な線をみていると疲れやすい性質を持っていますが、無垢材は一般的に不規則な並びの為、目が疲れにくいと言われています。

浮造りのデメリット

一見メリットが勝るように見える浮造りですが、一方でデメリットも存在します。
次はデメリットについて紹介していきます。

傷や汚れがつきやすい

無垢フローリングは傷やシミ、凹みなどが非常につきやすい素材です。もちろん塗膜をはるなどして保護することも可能ですが、多くの場合は風合いや質感を失ってしまうことがあります。

また樹種によっては腐りやすいものもあるため、使用する環境や場所を考える必要があります。さらに汚れにも非常に弱いため、食べこぼしなどの他、水をこぼしたことに気づかず放置してしまうと水シミが残る場合もあります。表面だけに付いているシミや汚れの場合はヤスリなどで削れば汚れをとれる場合もありますが、使用環境や樹種によっては逆に目立ってしまうこともあるので注意が必要です。

材質(品質)が一定ではない

無垢フローリングに使われる無垢材は天然木であるため、品質が一定ではありません。
それは、生育地や土地の状態、手入れの仕方、また、それぞれの木の樹齢によって強度に影響を及ぼすものが違うためです。

ただし同じもの(木目や杢目などの柄を含む)は二つとして存在しないため、このデメリットをメリットとして楽しむこともできるでしょう。

環境の変化に敏感

自然素材のため、湿気の有無で伸縮し、反りや隙間が開いたりすることがあります。また乾燥と収縮を繰り返すため、数年経つとフローリングに意図しない隙間が生じてくることがあります。木材によって隙間の生じ方は様々ですが、部分的に隙間が目立ってしまうこともあります。

いかがでしたでしょうか。
特徴やメリット、デメリットを比較して、ぜひ素材選びの参考にしてみてください。

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

コメント

コメントを残す

目次
閉じる