【SPC床材vsLVT床材】ヨーロッパで主流の塩ビ床を徹底比較

近年、日本でも中古物件のリノベーションやノリくぎを使わないエコな工法が取りざたされはじめ、同時にじわじわと欧米風のクリック式塩ビ床が国内市場に浸透しつつあります。一方で、工務店やエンドユーザを含む多くのユーザーが、輸入床材の種類の多さに困惑しているような状況です。

今回は、ヨーロッパで主流の2大塩ビ床のカテゴリ、SPC床材とLVT床材の違いについて解説していきたいと思います。

目次

LVT由来

Luxury Vinyl Tiles の頭文字をとったもので、学問上の正確な定義はありません。社会通念上、塩ビ素材を基盤としたクリック式の床材のことで、10~20年前辺りからヨーロッパで浸透し、現在では製造の大半を中国が占めているような状況です。

日本のメーカーでは製造してるところがほとんどいない状況で(日本の場合、クリック式ではなくGlue-Downと呼ばれる接着式が主流のため)、日本で出回るLVT床材はほとんど中国製か、以下のようなヨーロッパ製です。

日本で取り扱いのある欧米ブランド

  • Pergo (ベルギー)
  • BERRY ALLOC(ベルギー)

https://www.hokushu.net/kenzai/product/1585/
http://suminoe.ne.jp/pdf/LVT-suminoe-PureClick.pdf

SPC由来

Stone Plastic Compositeの頭文字をとったもので、基本的な構造はLVTフロアと同じです。違いとしては、LVTの弱点であった熱による膨張という欠点を補うため、石灰石を混ぜ込み、より頑強な構造にしたことです。世界的に販売がはじまってから5年程度と、塩ビ由来の床材の中では最も新しい世代に属し、後述の通り年々LVTのマーケットシェアを奪っています。

LVT同様、日本のメーカーで製造しているところはほとんどなく、多くが中国製か、以下のようなヨーロッパ製となります。

日本で取り扱いのある欧米ブランド

  • Parador(ドイツ)

https://parador.jp/

LVTとSPCの比較表

さて、上述の説明をもとに、LVTフロアとSPCフロアの違いを見ていきましょう。

 LVTSPC
床材の安定性
耐水性
耐摩耗性
硬さやわらかい硬い
価格やや安いやや高い

単純比較が難しい原因の一つに、スペックは製造元により、一概にLVTとSPCのどちらが上か判断がつきにくい点が挙げられます。例えば、ベルギー製のLVTと中国製のSPCでしたら後者のほうが圧倒的に割安ですし、代わりにスペックの内容も変化します(基本的に、欧米の床材製品は中国製に比べ健康志向、割高、デザインが良い、スペックが良い、という傾向にある)。

ちなみに、統計データによると年々LVTの需要は減り、逆にSPC(Rigid)の需要が増しています。2016年時点でマーケットシェアの半分を占めていたLVTは、2018年には39.6%と10パーセント近くシェアを落とし、代わりにSPCの需要が35.8%と拮抗状態にあります。

(出典: https://www.fcnews.net/2019/07/resilient-lvt-wpc-spc-bulldoze-the-competition/

以下、それぞれのスペックを比較していきたいと思います。

床材の安定性

床材の安定性でみると、後発のSPCのほうに軍配があがります。石灰石を多く含む分安定性にすぐれ、LVT床材のほうで突き上げの原因とされていた壁とのクリアランスも、SPCのほうでは比較的少なく済みます(会社ごとに異なる指標を出していますが、LVT床材で壁から5㎜、SPC床材で3㎜程度のクリアランスを推奨)。

LVT床材は塩ビ由来の床材であり、夏の暑さが最大の弱点でした。暑さによって膨張したLVTは突き上げをおこし、元に戻ることはありません。SPC床材は、メーカーにもよりますが、この原因となるLVTの不安定さを解消し、夏場の暑さにも強い仕様となっています。

耐水性

耐水性でみると、LVT、SPCともに同等です。すなわち、木質床の弱点であった「湿気」「水分」に対しては100%の耐性をもち、水の中に24時間漬けていても膨張しません。

ただし、これが必ずしもどんなところにでも施工できる、ことを意味しません。例えば、あまざらしのガレージなどに施工すると、壁との見切り部分から床下に浸水し、下床の破損やカビの原因となります。

また、お風呂場などに施工した場合、シャワーの熱湯によって膨張が起きやすくなったり、上述のカビの原因となるので、やはりお勧めはしません。

硬さ

LVTを安定させるため、SPCには石灰石が多く混ぜられています。その結果、SPCのほうは安定性が増した一方、「硬くなる」という現象が起きました。

この硬さがメリットなのかデメリットなのかは、着眼点によってことなります。

【良い点】

  • 凹みづらい(重い家具などを載せても)
  • 多少の不陸の上でも安定する

【悪い点】

  • 踏むと硬い
  • 施工の際にカットしづらい

この硬さによる恩恵の一つは、凹み強度が増したことで、上に家具や冷蔵庫など重いものを乗せても床がへこまないため、賃貸物件などでも原状復帰の必要が無くなります。

マイナス点としては、LVTよりも素足で踏むと硬いため、人によっては居心地の悪さを感じる点と、施工の際に硬いのでカッターなどで切りづらい点が挙げられます。

凹みに対する耐久度に関しては、多くのメーカーがデータシートなどで公開しているので、購入前に参考にすると良いでしょう。

価格

価格に関しては、SPCとLVTそのものに由来するよりも、メーカー側の得手不得手の問題となります。規模のメリットを生かし、基本的には「多く製造するものは安くなる」性質があり、SPCを多く製造している中国ではSPCのほうが安い傾向にありますが、日本に関しては取り扱っている業者がまだ少ないため、SPCのほうが高い傾向となっています。

ヨーロッパ製と中国製とを比較すると、ヨーロッパ製(Pergo、Berry Alloc、Parador等)のほうが中国製と比較して1.5倍~2倍ほど高い傾向にあり、その分スペックとデザイン性に優位がある、といった形です。

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