アメリカと比較して見るドイツ住宅事情

ドイツの住宅と聞くとどのようなイメージをするでしょうか?

ヨーロッパ式のデザインで屋根が高く、ヨーロッパの中で大きいドイツでは住民は大きな一軒家に住んでいるなどでしょうか?

国土交通省の資料によると、東京都の平均的な延床面積は64.48㎡になり、最も広いのが富山県で152.18㎡になります。
一方のドイツでは平均的な1家族用の住宅が150㎡と言われており、日本と比べると基本的にドイツの家が大きいと言うことがわかります。

しかしアメリカとドイツの住宅を比較してみるとどの用なイメージができますでしょうか?
アメリカにもヨーロッパからも遠い日本からみると中々イメージが難しいところがあります。

今回は趣向を変えて、ドイツをアメリカの住宅事情から比較してドイツの住宅事情をみていきたいと思います。

目次

アメリカから比較してみるドイツの住宅事情

日本から見ると、ドイツとアメリカの住宅事情というのは見当がつかないところですよね。

日本人からすればドイツもアメリカも同じ欧米のグループで「何か違うのか」と考えるところもあるかもしれません。

しかし大陸も歴史も違う国では住宅事情も変わってきます。

ドイツは地価も建築費用も高く、ざっくりアメリカと比較すると、一軒家の建築費用は3〜5割り程高くなるとも言われています。

また、実はドイツでは自分のマンションや家を持っているのはわずか42%になり、アメリカでは65%、ちなみに日本では総務省統計局の2008年の統計では51.5%となり、ドイツの住居の所有率の低さがわかります。

ドイツではマンション暮らしが多い

ヨーロッパといえば大きくてお洒落な個人住宅群のイメージを思い浮かべることもあるのではないでしょうか?

もちろんドイツでも一軒家はありますしそのようなエリアも見かけますが、実はマンションに住んでいる人が多いのです。

引用:Distribution of the population in Germany as of 2018, by dwelling type – statista

上記の画像はStatistaから引用した2018年のドイツに住んでいる人の割合のグラフです。
Detached houseは一戸建てになり、Semi-detached houseは一つの建物で壁を共有して二つの住居にするセミデタッチドハウスになります。
そしてFlatはマンションになり、Othersはその他に分類されます。

グラフを見て分かる通り、ドイツでは半数以上の家庭がマンション住まいになり、一軒家はセミデタッチドハウスを含めても42.2%になります。

セミデタッチドハウスの写真。真ん中の壁を共有して2つの住居になっている:Bidgee, CC BY-SA 3.0 AU, via Wikimedia Commons

一方でアメリカですが、United States Census Bureau(アメリカ合衆国国勢調査局)によると、2014年では77%の家庭で一軒家(セミデタッチドハウス含む)に住んでいて、マンション住まいはたったの20%になっています。
国土が広いアメリカでは一軒家に住む割合が圧倒的に多いとみれます。

また、これはアメリカ特有の現象ですが、3%(ドイツは1.5%)の割合でその他にカテゴライズされているグループがあります。
これはキャンピングカーやバン、トレーラーハウス、ボートなど家を持たないで車や船に住む人たちなどです。

実はドイツとアメリカでは建築材から違う

ドイツの住宅では一般的に、コンクリート混合物の一種であるKalksandsteinmauerwerk(砂、石灰岩、レンガ石積み)を使用して建てられています。
金属製の鉄筋フレームを使用し、そこからコンクリートで基礎、壁天井などを埋めていきます。
ブロックの外側には漆喰の層を作り、その後塗装していきます。
そしてブロックの内側には、発泡スチロール類を断熱材として使用します。

コンクリート建築の一例:SiroewwkaによるPixabayからの画像

一方のアメリカですが、アメリカはヨーロッパ全体の大きさに匹敵する非常に大きな国です。
そのため、木材は安くて住宅建設の際には非常によく使われる主要な建築材になります。

米国では一般的に、住宅はコンクリートの基礎の上に木の骨組みで建てられています。
壁はグラスファイバー断熱材で断熱され、内壁には乾式壁(シートロック)と呼ばれる石膏を厚紙で挟んだものを使用しています。

ヒーティングシステムにも違いが

ドイツの住宅は温水や電気で暖房するのが一般的です。
そうすると家や部屋を締め切って熱を逃さないようにするので、冬の間アパートや家の室内の湿度が上昇し、その湿気で壁や棚の裏などにカビが発生することがあります。
そのためドイツ人は、冬の寒い時期でも定期的に窓や外のドアを開けて、家の空気を抜き、カビの発生を防ぐことを学んできました。

毎日、あるいは1日2回、起床後と就寝前の朝に外気を入れかえる家庭もあります。
日本人でもあまり空気を入れ換えない人がおり、空気の入れ替えを行う習慣が無い人がいざドイツに住むと、壁にカビが発生させてしまい苦い失敗から学ぶ人もでてきます。

ドイツで一般的なヒーティング:riによるPixabayからの画像

一方のアメリカではセントラルヒーティングシステムと言う、全館で冷暖房をコントロールする方法が一般的です。
多くの家庭の地下などにガス炉の一種であるファーネスで空気を温め、それをファンで各部屋に温風を送り家を暖房させます。
このシステムにも利点があり、家を締め切っていてもドイツほど湿度は上がりやすくなく、またどの部屋でも温度が比較的統一されるので快適性があります。

アメリカでは家が大きい分ストレージやクローゼットなどが当たり前

上でドイツの家族用の平均住宅サイズが150㎡と紹介しましたが、Statistaによるとアメリカでは2301平方フィート、メートルに直すと約213㎡となり非常に大きいことが見て取れます。
家が大きくなる分スペースにも余裕があるのでアメリカでは物を収納するストレージのスペースがあります。

しかしドイツではこのストレージのスペースがあるのは当たり前ではありません。
また、アメリカではビルトインクローゼットなども見かけますが、ドイツではこれも一般的ではありません。
ドイツでは収納用に家具を買って設置します。
この辺りは家のサイズの違いが収納などに出ているのが見て取れます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
こうやって見ると、一言に欧米と言ってもアメリカとドイツでは住宅事情が違うと言うのが見えてきます。

その国の法規制や文化、気候風土など様々なポイントから影響を受けておりドイツ系アメリカ人がいても、建築も歴史とともにその地域に適応したデザインや構造になっていきます。

アメリカでは建築に木材を多用する一方、ドイツではコンクリート類を使用するなど違いもありますが、共通点としては両方の国で床材には木材も使用される点があります。
様々な違いと共通点を見つけることで、ドイツの住宅事情をより深く理解ができるでしょう。

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